真夏に鳴き続けるセッカ ~稲刈り迫る田んぼで挑む、過酷な子育て~
いま元気に鳴くのは・・・
夏の終わりのセッカ観察記
ハヤブサやチョウゲンボウの撮影もこれからが本番・・・と思っていた矢先、撮影ポイントにすっかり来なくなってしまいました。この時期の野鳥と言えば、もうこの鳥しかいません!・・・というのは少し大げさですが、真夏のこの時期でも元気に囀っているのは、やはり「セッカ」くらいではないでしょうか。
この辺りでは、5月中旬の菜の花が咲く頃に南から渡って来て子育てを始めますが、なんとこの時期になっても延々と繁殖行動を続けています。
実はセッカは、一羽のオスが複数のメスとペアになる「一雄多雌(いちゆうたし)」というスタイルです。子育てはメスに任せきりでオスは秋までひたすら巣の土台(骨組み)を作り、「ヒッヒッヒッ」と空高く舞い上がっては新しいメスを引き付けるためのアピールを繰り返します。
一般的にはオスとメス共同で子育てするのが多い(全体の約9割)ですが、ミソサザイやオオヨシキリ、タゲリなどは、この「一雄屋多雌(いちゆうたし)」というスタイルです。
逆にタマシギなど、メス一羽にオス多数というスタイルの野鳥もいるようです。
AI解説と、現場で見えてくる「セッカの過酷な現実」
一般的に、セッカがワンオペ育児を行えるのは「草むらは、虫などの餌が豊富で、天敵に見つかりにくいから」と言われています。しかし、実際に現場に通っている私なりの解釈は少し違います。
地面近くに作られるセッカの巣は、ヘビやノネコ、キツネやタヌキなどの天敵に襲われる確率が非常に高いと感じます。だからこそ、少しでも多くの子孫を残す戦略として、オスとメスで役割を分担し、効率よく繁殖を行っているのではないでしょうか。
かってドキュメンタリー番組で見たのですが、セッカのオスが作る巣は実に繊細です。クチバシで葉に穴をあけ、そこに糸や葉を通して編み物のように見事な家を作り上げます。しかし、どれほど苦労して作った巣も、メスに気に入られなければそれまで、最終決定権は全てメスにあるというのも、同性としてはなんだか複雑で滑稽な気持ちになりますね(笑)。
人間と背中合わせの切ない子育て
今時分のセッカたちは、広い田んぼの中・・・稲の穂を利用して巣を作っています。田んぼの中には入れないため実際の巣の様子は確認できませんが、もうそろそろ稲刈りの季節、ひなが育つ前に刈り取られてしまわないかと、心配でなりません。
振り返れば、春に菜の花畑で作った巣も、その後の麦畑で作った巣も、雛が巣立つ前に刈り取られてしまっていました。
野生動物という天敵だけでなく、人間の営みのスケジュールとも戦わなければならないセッカたち。あの小さな体で厳しい現実に直面しながらも、めげずに命を繋ごうとする姿には。ただただ「無事に頑張ってくれ」と祈るばかりです。


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